<政策点検・衆院沖縄3区補選>医療・健康 医師不足対応、施策に違い


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 本島北部地域では、医師不足や診療制限が相次ぐなど、医療体制の確立が大きな課題となっている。県立北部病院と北部地区医師会病院を統合させた「北部基幹病院」の設置を推進する姿勢は、屋良朝博氏(56)=無所属・新=と島尻安伊子氏(54)=自民公認、公明、維新推薦・新=の両者ともに一致したが、医師不足への対応など医療政策については異なる手法を提起している。

 屋良氏は、県が進める北部基幹病院の整備に関して「整備費や医師確保の補助施策や支援策に取り組む」とする。また、県の「医師確保対策補助事業」の国の負担分を増額させ、医師不足対策の拡充を目指す。具体的には「県内の医学部卒業者の県立病院での養成枠や北部病院の研修医受け入れ枠を拡大する」との施策を挙げる。

 島尻氏は「地元負担なしの基幹病院の設立」を強調し、重点政策の一つに位置づける。各省庁との調整役として、国政での経験を生かしたい考えだ。医師不足の対策については、国の財政支援を受けながら「ICT(情報通信技術)を活用した遠隔診療の導入、医師の労働環境整備、医師・診療科の偏在を是正する」と提言した。

 かつて「長寿県」と言われた沖縄だが、平均寿命が年々下がるなど、健康長寿復活に向けた取り組みが急務となっている。健康長寿の対策に、両氏は異なる手法で取り組む考えだ。

 屋良氏は、県の取り組む「沖縄健康長寿復活プロジェクト」を後押しする構えだ。「地域健康増進促進事業として、物心両面の支援策を強化していく」と強調する。

 島尻氏は、西普天間跡地への琉大医学部と同付属病院の移転による「国際医療拠点化」を推進する。また「食生活や運動に対する県民の意識改革も継続する」とした。