平成最後の国政選挙となった衆院沖縄3区補欠選挙は「オール沖縄」陣営が推す屋良朝博氏が初当選を果たした。「オール沖縄」陣営にとって県知事選から続く勝利で、夏の参院選に向け弾みがついた。県民投票で示された新基地建設「反対」の民意が再び示されたことで、玉城デニー知事は求心力を強めるとともに、新基地建設阻止に向けて追い風となる。
一方、3月に中川京貴県議を県連会長とする新しい執行部を発足したばかりの自民県連は初戦からつまずいた。辺野古容認を明確にした選挙戦を落としたことは痛手で、参院選に向け態勢の立て直しが急務となる。
衆院3区補選は、知事選と同様に「オール沖縄」陣営と、安倍政権与党の自民・公明に維新が加わった「自公維」が対決する構図となった。屋良氏は3区選出衆院議員だった玉城知事の後継をアピールし、知事と一緒に選挙を戦ったことで課題だった知名度不足を克服し、無党派層を含め幅広い層で支持を広げた。玉城知事にとって地盤の3区の議席を維持した意義は大きく、県政の安定した運営に好材料となった。
3区補選が終わり、県内政局は夏の参院選に移る。既に「オール沖縄」陣営は元琉球大法科大学院教授の高良鉄美氏の擁立を予定し、自民はシンバホールディングス会長の安里繁信氏を擁立した。いずれの候補も近く正式に出馬表明する予定で、4月下旬から始まる大型連休明け以降、参院選に向けた動きが活発化する見通しだ。
(吉田健一)