拙攻で勝ち点するり ロスタイム、ミスから失点 FC琉球 VS 鹿児島


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 【鹿児島市で喜屋武研伍】サッカー明治安田J2の第10節、FC琉球は21日、鹿児島県鹿児島市の白波スタジアムで鹿児島ユナイテッドFCと対戦し、0―1で敗れた。昨季琉球をJ2昇格・J3優勝に導いた金鍾成前監督率いる鹿児島とのJ2昇格組ダービーは後半ロスタイムに決勝点を奪われ、涙をのんだ。琉球の通算成績は4勝4分け2敗の勝ち点16で6位。次戦は27日午後7時半から、ホーム・沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでFC町田ゼルビアを迎え撃つ。

(1)白波スタ
鹿児島 2勝1分け7敗(7)
 1―0(0―0,1―0)
琉 球 4勝4分け2敗(16)

▽得点者 【児】 五領(1)
▽観客 4521人
 【評】パスを細かくつなぎ、「攻撃的サッカー」を展開するチーム同士の対決。序盤から両チームとも、サイド攻撃やドリブルの中央突破などで何度も決定機をつくり続けるが決まらず。激しい打ち合いが続いた後半のロスタイム、鹿児島の五領淳樹がゴール前でフリーで受け取り、左足で押し込み決勝点とした。


  ◆   ◆   ◆   ◆

 

  ともにJ2昇格組で、金鍾成前監督率いる鹿児島との“絶対に負けられない一戦”だったが、悔しくも鹿児島に軍配が上がった。チャンスはつくれているが得点につながらず、1カ月以上勝ち星がない。樋口靖洋監督、選手が感じるプレーの「ずれ」が明確になった試合だった。

 前半から激しくボールを奪い合い、両サイド、中央から攻め込んだ。途中からチームの「推進力」の上門知樹を投入。守備ラインも上げ、さらに前への勢いをつけた。

 左サイドから河合秀人が駆け上がってシュート。ボールを奪った上門が攻守で素早く切り替え、鈴木孝司へ絶妙なスルーパスを出すなど、決定機を多くつくった。だがラストパスやシュートがずれるなど精度を欠き、点が生まれない。

 後半ロスタイムの失点は簡単なパスミスから起きたものだった。上里一将主将は「ボールのタッチ数が多かったり、狙いすぎたパスが多かったりした。自分勝手なプレーが目立つ」と厳しく振り返る。

 勝ち切れない試合が続き、今後を左右する「ターニングポイント」を迎えている。恩師との再会の喜びもそこそこに、上門は「残念。次のホームは得点して、勝利を狙う」と気を引き締めた。7試合ぶりの勝ち点3をホームの地でつかみ取る。
 (喜屋武研伍)