残り3分弱 キングスを勝利を導いたのは… バスケ・キングス最終戦


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キングス―滋賀 第4Q ダンクシュートを決めるキングスのジェフ・エアーズ=21日、沖縄市体育館(田中芳撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(同1位)は21日、沖縄市体育館で滋賀レイクスターズ(西地区5位)と今季最終戦となる第60戦を行い、85―79で勝利した。今季の最終成績は40勝20敗。前半はミスが散発して、攻撃機会を度々失ったが、後半に入って徐々に修正していった。第4クオーター(Q)は滋賀の外国人選手2人がファウルトラブルになった好機を逃さず、攻撃時にジェフ・エアーズが強気なドライブや的を絞らせないアシストで奮起し、最終盤で一気に引き離した。次戦はBリーグの今季8強で頂点を競うチャンピオンシップ(CS)準々決勝。対戦相手は西地区2位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ。試合は27、28の両日、午後1時10分、沖縄市体育館で行われる。1勝1敗になった場合は29日に3試合目が行われる。チームが出場して26日に始まるCS準々決勝の琉球以外の組み合わせは栃木―川崎、千葉―富山、新潟―A東京となった。

キングス(40勝20敗)
 85―79(17―22,19―19,23―19,26―19)
滋  賀(18勝42敗)

 【評】20日の課題修正をを意識しすぎて前半は攻撃が重たくてミスが目立ったが、後半は冷静に修正。守備では滋賀の日本人選手に得点を許しすぎたが、常にリバウンドで上回った。第4Qは岸本隆一の3点弾と速攻で主導権を握ると、相手外国人選手のファウルトラブルをついて点数を重ねて、引き離した。

◆岸本3点弾が今日一番

 佐々宜央HC(キングス)の話 第4Qはデザインされたプレーから岸本隆一の3点弾が今日一番の場面。あの状況で点が決まるとベンチも共通理解をもってくれる。これからの1週間はシーズンを振り返って、試合の時はやるぞという覚悟と断固たる決意で臨めるようにいろいろ計画している。本当に気持ちの部分が大事になってくる。

◆重要なシュートで明暗

 ショーン・デニスHC(滋賀)の話 西地区で優勝する琉球は重要な時間帯でシュートを決めており、それが勝敗を分けた。滋賀としては最下位で残留プレーオフを懸けて戦う時期もあったが、最終20戦は10勝10敗。戦った選手に感謝したい。

◆接戦耐え終盤振り切る

 レギュラーシーズンの最終2連戦を勝利で飾ったキングス。喜びに包まれたホームのファンに向け、佐々宜央HCがチャンピオンシップ決勝を目指す意気込みとともに「一緒に盛り上がりましょう」と呼び掛けると、拍手が起こった。

 今季最終戦は、前半のミスが尾を引いてリードされる我慢の時間が続き、第3Q終了時点で59―60とせめぎ合いが続いた。しかし、第4Qで滋賀の外国人選手がファウルトラブルになり、相手守備がややソフトになると、人生初の金髪にして「ツキがきてる」というジェフ・エアーズが奮起した。ドライブで攻め込むだけでなく、キックアウトから須田侑太郎の3点弾を演出。それでもキングスのファウルがかさみ、振り切れない。

 残り3分弱、佐々HCがタイムアウトを要求したことが奏功した。仕切り直しの連係プレーから、フリーの場面で岸本隆一の3点弾がさく裂。「外してたら負けが近づいたが、あの状況のためにやってきたから」と、自分自身で勝機を作ると、その直後の単独速攻も「外れても誰かが取る」と強気のレイアップで味方を鼓舞した。

 CS初戦の相手は同じ西地区の名古屋Dに決まった。滋賀との2連戦はミスが目立っただけに、橋本竜馬は「安易なプレーをしてしまうとすぐに敗退する」と気を引き締める。エアーズは「自分のすべてプラスに変えて、チームのためにプレーしたい」と意気込んだ。
 (嘉陽拓也)