遺族へ謝罪 「掌握していない」 在沖米海兵隊 北谷町議会が抗議 女性殺害事件


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抗議を終え、報道陣の取材に応じる(右から)亀谷長久議長と照屋正治委員長=24日、北中城村安谷屋

 【北谷】在沖米海兵隊所属の海軍兵による女性殺害事件を受け、北谷町議会の代表議員9人は24日、キャンプ瑞慶覧を訪ね、第3海兵遠征軍司令部在沖海兵隊政務外交部のダリン・クラーク大佐に抗議した。面談後、報道陣の取材に応じた亀谷長久議長によると、遺族へ謝罪したかとの問いにクラーク大佐は「掌握していない」と回答し、事件の責任者として米軍が遺族へ直接謝罪したか否か確認できていないことを明らかにした。また遺族への補償は「日米両政府で調整して応じる」との意向を示したという。

 議会は24日の臨時会で日米両政府に対し遺族への謝罪と補償、リバティー制度の緩和撤回などを求める抗議決議を全会一致で可決している。町議らはリバティー制度の緩和直後に事件が発生したことを追及した上で綱紀粛正と再発防止の徹底を求めたが、クラーク大佐は「99・9%の兵士は規制を順守している」と強調。今回の事件と規制緩和の関連性を改めて否定し、リバティー制度を見直する予定はないと明言した。

 亀谷議長は「たとえ0・01%だとしても規則を守らない米兵がいるのは事実。事件を繰り返さないために米軍内で徹底して対策を取るべきだ」と訴えた。基地対策特別委員会の照屋正治委員長は補償について「責任は米軍にあるのになぜ日本も一部負担するのか。納得いかない」と憤った。