天皇制 問い直す 遺骨返還訴訟支援へ集会


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琉球遺骨返還請求訴訟支援の集会で話す彫刻家の金城実さん(左)と琉球民族遺骨返還研究会の松島泰勝代表=27日、東京都の文京シビックセンター

 【東京】琉球遺骨返還請求訴訟を支援する集会「沖縄にとっての天皇制」(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック主催)が27日夜、東京都の文京シビックセンターで開かれた。約130人が参加した。原告団長の松島泰勝龍谷大教授が経緯を報告し「遺骨返還は、天皇制国家から脱し、琉球人が自らの力で新たな時代や歴史を切り開くための自己決定権運動で、脱植民地化だ」と強調した。

 主催者から、関東地域で裁判を支援するための組織を立ち上げることも報告された。5月に準備会を持ち、6月にも立ち上げる。

 松島さんは、明治の天皇制国家による琉球併合(琉球処分)や沖縄戦の捨て石作戦、昭和天皇がマッカーサー連合国軍司令官に伝えた天皇メッセージを挙げ「天皇は祖父や父の罪に対して自らの判断を示すべきだ。それがない限り戦争責任が解消されたとは言えない」と述べた。

 それでも、天皇が自らチビチリガマ訪問などを希望しても実現はできないのではないかという、天皇に意志実現の自由がないとする意見も紹介しながら「それは戦前と同じように現在でも政治の意図の下に国民を支配する機関として利用されていることを示している」と指摘した。

 集会に参加した原告で彫刻家の金城実さんは、台湾の日本の植民地化に沖縄人も加担した歴史を挙げ「沖縄の弱さを沖縄の人間自らがたたかないと、外圧に耐えられない」と話した。