第3Q、圧巻の古川タイム 3点弾連発、会場総立ち CS準々決勝第2戦


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CS準々決勝 キングス―名古屋D 第3Q 厳しいディフェンスを受けながらもシュートを決める古川孝敏=28日、沖縄市体育館(新里圭蔵撮影)

 開始12秒、古川孝敏の放った先制の3点弾が名古屋Dを飲み込む会場の大歓声を生み出した。42秒にはミドルジャンパーで2点。精神的な不調和で序盤からリードされた第1戦の悪夢を1分以内で打ち消すと、第3Qだけでは個人で一挙16点と大車輪の活躍。3点成功率83・3%、2点成功率は71・4%と驚異的な確率をたたき出し、本試合計26得点でゲームの中心となった。

 大興奮の試合を作ったが記者会見では「皆が信頼してパスをくれた」「攻守で5人の意思が統一できたことが流れにつながった」と、淡々とした口調で味方に感謝した。

 第1Qで流れを作りだしたが、チーム全体で調子の良い古川を生かすことを確認した後半からが本領発揮だった。第3Qのシュートは7本中6本の成功率。速攻の場面では先を行く橋本竜馬が「(古川が)シュートを打ちたい感じだった」と、後方の古川につないで3点弾をアシスト。田代直希も「フルさんにパスするのが楽しかった」と振り返るほどで、3点弾で逆転した43点目は観客総立ちのような状態だった。

 得点に注目が集まるが、守備では名古屋Dのスコアラー安藤周人の3点弾を抑える活躍ぶりで「自分はそこにフォーカスしてやっていた」とあくまでも守備の徹底を貫く。名古屋Dを18失点に抑えた後半の内容を重視しており「全員でプレッシャーをかけ、後方ではビッグマンが頑張ってくれた。これが求めるスタンダード。それをやり続けたい」と、取り戻した堅守で第3戦に挑む覚悟を見せた。
 (嘉陽拓也)


 プロバスケットボールBリーグのチャンピオンシップ準々決勝は28日、全国各地で行われた。琉球ゴールデンキングスは沖縄市体育館で名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対決した。前日は大敗したキングスだが第1クオーター(Q)から主導権を握ると、古川孝敏が計26得点と大活躍し、77―53で大勝した。キングスと名古屋Dは1勝1敗となったため、29日午後7時40分から同体育館で第3戦を行う。2連覇を目指すA東京は新潟に71―68で競り勝ち、2連勝で準決勝進出を決めた。馬場雄大がチーム最多17得点と活躍した。初優勝を狙う千葉は富山を96―85で振り切り、2連勝で4強入りした。

▽準々決勝第2戦(沖縄市体育館、3461人)
キングス(西地区1位)1勝1敗
 77―53(18―19,12―16,32―12,15―6)
名古屋D(西地区2位)1勝1敗

 【評】開始早々、狙い通りの攻撃が決まりスタートダッシュを決めたキングス。ヘルプやゴール下の守備を固めるも、連係から飛び込んでくる相手日本人選手の活躍を許し主導権は握れない。ミスはあるが27日の敗戦とは異なり、チームの一体感を常に維持していると、第3Qには連係から古川が立て続けに点を奪う。第3Qだけで一気に32点を積み上げたキングスが逆転して振り切った。