ハブいないはずの島で…もう6匹確認 沖縄・粟国島で4月に捕獲 県が引き続き定着の有無調査


この記事を書いた人 大森 茂夫
4月に発見された、粟国村で6例目となるハブ(県衛生環境研究所提供)

 2017年から断続的にハブが見つかり、県が定着の有無を調査している粟国村で4月、ことし初めてハブが見つかっていたことが県衛生薬務課などへの取材で2日までに分かった。

 島内に生息しないとされているが、今回で6例目。県は「定着しているかどうかはまだ判断できず、継続して調べる」としている。

 粟国村によると、4月20日深夜に住民が見つけて通報。排水溝に逃げたため、閉じ込めて22日に捕獲した。県衛生環境研究所に送られ、ハブと確認された。発見場所は四志土地改良区北側で、担当者は「これまでの例と比べ、役場などがある村中心部に近づいてきている」と懸念する。

 県衛生薬務課によると、6例目のハブは体長116・5センチ、体重258グラムの雄。生後2~3年と推測される。粟国で初めてハブが見つかったのは17年9月。その後、10月、11月、18年6月、11月と断続的に発見された。最初の3匹は雌、最近の3匹は雄。

 初めて発見された後、県は村の診療所にハブ抗毒素(血清)を配備した。17年度から島内に捕獲器を仕掛けて生息調査をしており、ことしも7日から60台を設置して調べる。

 ハブの活動が活発になる5月1日から6月30日まで、県は咬症注意報を発令している。17年にサキシマハブなどハブ類にかまれたのは61件。

 県保健医療部は、草刈りやネズミの駆除など環境を整備し、ハブが侵入しにくいよう整えることや、田畑や山野への出入りの際に十分注意するよう呼び掛けている。