景気は観光が好調で拡大 台風や暖冬が影響でエアコンなど減少


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 りゅうぎん総合研究所(照屋保社長)は10日、2018年度の県経済動向を発表した。入域観光客が過去最高となり好調に推移したが、台風や暖冬などによる季節商材の減少で一部に弱い動きが見られた。県内景気は17年度の「引き続き拡大の動きが強まった」から「拡大している」に下方修正した。

 【消費関連】

 百貨店の売上高は、外国人観光客の増加により化粧品の売り上げが伸びたことなどから、前年度比2・3%増となった。スーパーの売上高は台風や暖冬の影響で既存店比で同0・8%減と前年を下回った。新車販売台数は同7・1%増となり、レンタカーや自家用車の需要が好調だった。電気製品卸売販売額は、夏の気温が低くエアコンが減少したことなどから同2・7%減となった。

 【建設関連】

 公共工事請負金額は前年度比22・6%減となり、沖縄振興予算が前年より減ったことで国や県発注の工事が減少した。新設住宅着工戸数は貸家が減少し、同4・6%減となった。建設受注額は、ホテル新築工事の受注が相次いだことが影響し、同29・8%増となった。建築資材関連では、公共工事向け出荷の減少でセメントが同6・8%減、生コンは同4・1%減だった。木材は住宅関連工事の需要が活発で同7・9%増となった。鋼材は0・6%増だった。

 【観光関連】

 県内主要ホテルは、稼働率が前年度比0・2ポイント減の79・8%で、売上高は同1・9%減となった。那覇市内ホテルは、稼働率が前年度と同水準で、売上高、宿泊収入、客室単価は前年を上回った。主要観光施設入場者数は前年度と同水準だが、ゴルフ場入場者数は同3・2%減となった。

 【雇用など】

 就業者数は運輸業や郵便業で減少したが、建設業や医療福祉で増加し、失業率は前年度比0・5ポイント増の3・1%と改善した。新規求人数は同1・9%増で、有効求人倍率は前年度の1・13倍から1・18倍に上がった。倒産件数は前年度と並んで過去最少の43件だった。