FC琉球 勝てないトンネルを脱出できたカギは、堅守崩すパスワークだった J2第13節


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琉球―水戸 前半、先取点を挙げた後にもシュートを放つなど積極的に攻めるFC琉球の鈴木孝司=11日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(ジャン松元撮影)

 後半ロスタイム、9試合ぶりの勝利が迫り次第に手拍子が大きくなる。終了のホイッスルに4千人に迫る観客は喜びを爆発させた。力が抜けてピッチに伏せたり、抱き合ったりする選手たち。豪快にガッツポーズする指揮官、全員で久しぶりの勝利の喜びを分かち合った。

 勝てない苦しいトンネルを抜けて首位の水戸を破り、申し分のないタイミングで明るい兆しとなった。堅守を誇る水戸から先制点を奪った鈴木孝司は「うれしい。質の高いクロスを上げた徳さん(徳元悠平)に感謝したい」と7試合ぶりのゴールの喜びに浸った。

 ブロック守備を敷く水戸に対し、琉球はいかに「守備ラインの間を狙えるか」が重要だった。選手たちは序盤から積極的にボールを前に送り、ワンタッチでパスをつないで相手守備のマークをはがした。

 前半8分は右から左と効果的にサイドチェンジを交え、左サイドで上里一将がフリーの徳元にパスを出す。徳元はゴール前へ絶妙なクロスを上げ、鈴木が頭でねじ込んだ。流れるようなパスワークから水戸の堅い守りを崩し切った。

 だが後半は、ギアを上げた水戸に防戦一方になるなど課題も残った。鈴木は「追加点を取れるよう、チーム一丸となって頑張りたい」と意気込む。再び、J2の舞台で琉球旋風を巻き起こす。

 (喜屋武研伍)


 サッカー明治安田J2の第13節、FC琉球(9位)は11日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで首位の水戸ホーリーホックと対戦し、1―0で勝利した。3月16日の徳島戦で勝利して以降、9試合ぶりの白星。琉球が更新中のホーム無敗記録は28試合連続に伸ばし、通算成績は5勝5分け3敗、勝ち点は20となった。

 次戦は19日午後7時から、岡山県のシティライトスタジアムでファジアーノ岡山と対戦する。

(1)タピスタ
琉球 5勝5分け3敗(20)
 1―0(1―0,0―0)
水戸7勝5分け1敗(26)
▽得点者 【琉】 鈴木(9)
▽観客 3908人