宮城陽、相撲全日本優勝 初の世界選手権出場へ


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シニア男子85キロ未満級順位決定戦 田中優汰(関西学院大)にすくい投げで勝利し、世界選手権への切符を手にした日体大の宮城陽(左)=12日、富山県のグリーンパークだいもん相撲場(鴫原利芳氏提供)

 相撲の世界選手権(10月20日、ハワイ)出場を懸けた、第1回全日本個人体重別選手権大会は12日、富山県射水市のグリーンパークだいもん相撲場であった。シニア男子85キロ未満級の宮城陽(北部農林高―日本体育大3年)はリーグ戦で田中優汰(関西学院大)と勝敗数が並んだため順位決定戦を行い、すくい投げで優勝した。宮城は初の世界選手権出場を決めた。

 高校時代から夢見ていた世界切符をつかんだ宮城は「最近は調子も悪く心配もあったが、今日は体がよく動いてくれた」と声を弾ませた。

 県相撲連盟の和宇慶勝則会長は「(宮城の優勝は)あっぱれだ。沖縄からこういった選手が出るのは大変光栄。けがをせずに世界へ向かっていってほしい」と激励した。

◆宮城「世界一狙う」/決定戦 修正力光る

 男子85キロ未満級の宮城陽は、強みの「押し相撲」で苦しい取り組みを制していった。リーグ戦の勝敗数が並んだため優勝を決める順位決定戦となった田中(関西学院大)の大一番。リーグで一度敗れた相手だが決定戦ではしっかり修正し、世界切符をつかんだ。宮城は「世界は高校からの夢だった。うれしい」と声を弾ませた。

 6人のリーグ戦は、うち4人が同じ軽量級に強い日体大の選手。「互いのことを分かっている」相手同士の対戦。体調も万全ではなかったが「夢」だった世界へ向けて強い気持ちを持って臨んだ。低く、鋭い「押し相撲」で接戦を制していった。リーグ戦唯一の黒星は田中の足を取りにいったところを「うまく転がされた」と土を付けられた。

 田中が他の選手に敗れたため、再戦の好機を得た優勝決定戦。同じ轍(てつ)は踏まないと、田中に正面から向かい合わずに左に変化しながら様子をうかがった。まわしを取ろうと詰めてきた相手の頭をはたいて崩し、鮮やかにすくい投げを決めた。

 得意の押し相撲だけでなく、修正力も光った今大会。世界の舞台は「沖縄から世界一を狙う。着実に勝利を重ねていきたい」と力を込めた。