ミスターキングス・金城茂之が退団 チーム創設からキングス一筋 最後の生え抜き 新たなステージへ


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは15日、2007年の創設以来、12年にわたりキングス一筋で活躍してきた金城茂之(34)の退団を発表した。本人が出場機会を求めて移籍を希望しており、キングスは同日、金城を自由交渉選手リストへ公示した。金城は球団ホームページで「キングスを離れるのは簡単ではありませんでしたが、プレーをして所属チームの手助けをしたい気持ちを抑えきれず退団という決断に至りました」とコメントした。

今季のCS準々決勝第1戦 キングス―名古屋 初戦を落としたが守備から攻撃につなげる活躍で味方を鼓舞した金城茂之=4月27日、沖縄市体育館

 現在琉球ゴールデンキングスに所属する選手の中でただ一人、創設時からチームに所属し続けてきた金城茂之。得点能力が高く、的確に状況を判断する落ち着きのあるプレーで幾度となくブースターを沸かせてきた。12年に及ぶ球団の歴史と共に歩み「キングスそのもの」(木村達郎社長)である「ミスターキングス」が、新たなステージへと歩みを進める。

 浦添市出身。身長185センチ、体重80キロ。ポジションはシューティングガードとスモールフォワード。北中城高、大東文化大を経て、2007年に練習生としてキングスに入団した。

 頭角を現したのは入団2年目の08―09シーズン。成功率39・8%を誇った3点弾や鋭いドライブを武器に、日本人2位となる平均13・2点を記録。そのシーズンで最も成長した選手に贈られるMIP賞を受賞し、エースとしてキングス初優勝の原動力となった。

 09―10シーズン以降は右膝のけがで手術を繰り返し、11―12シーズンには全休も経験した。それでも不屈の精神で毎年準備を怠らなかった金城。スピードに頼らず、視野の広さを生かしたプレーや相手の動きを読んだ守備など、新たなプレースタイルを徐々に確立。2013―14シーズンは主将として3度目の優勝を果たす。bj最後の15―16シーズンには平均出場時間が20分を超え、4度目の優勝に大きく貢献した。

 一方、Bリーグが発足して以降は初年度の16―17シーズンこそ平均20分近い出場時間があったが、日本代表の古川孝敏の加入や田代直希ら若手選手の台頭などでベンチを温める機会が増え、出場時間は年々減少。今季の18―19シーズンは全60試合中、出場したのは29試合、平均出場時間は4分47秒、平均得点は1点にとどまっていた。