LPガスの販売などを手がけるマルヰ産業(那覇市、根本有二郞社長)が、iPadを活用した営業支援地図システムなどの導入で働き方改革と業務の効率化に取り組んでいる。2018年度には、社員129人のうち87.6%に当たる113人が5日以上の有給休暇を取得した。会社の目標として掲げた10日以上の取得者も52.7%に当たる68人に上る。
一方で2013年3月期比較で18年3月期は売上高は10・6%増の38億6800万円、純利益は同41・5%増の2億100万円と伸び、生産性は向上している。
同社では2012年にiPadを用いたガス検針や保安点検調査を始め、16年8月に営業支援地図システムを導入した。システムは親会社の岩谷産業が開発した。現場でiPad上で入力した内容がそのまま業務日報に反映され、帰社後に日報を書く作業が軽減された。顧客情報の共有が可能となり、他社員の担当地区のフォローが容易になるなどの効果もあった。
現場で活用している本社事業部の與那嶺学事業二課長は「効率はすごく良くなった。以前は現場で手書きし、会社に戻ってからパソコンで入力していたが、二度手間が省けてよりきめ細かな点検に時間を割けられる」と効果を話す。
営業企画課の宮里久美課長は「昔は遅くまで残っている人が頑張っているという認識があったが、今では時間内に効率良く仕事ができる人が良いという意識になってきている」と話す。
18年11月からは、社内で電子決裁を導入した。従来は起案書類を本社と支店間を1日1周する配送車に載せていたため、役員の出張などが重なると決裁までに数日間を要することもあったという。電子化により出張先でも決裁が可能となった。
法改正により、有給休暇の年5日以上の取得が求められている。管理部の川村正枝部長は「全社的に5日以上取れる体制はできたと思う。今後は有休を取らない社員の意識改革が必要になる」と話した。