退職した恩師をバスケで激励 バスケ部の教え子らが交流大会


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 【宜野湾】嘉数中学校を皮切りに複数の中学校でバスケットボール部の顧問を務めた上原尚善さん(60)が3月に教員を定年退職したことを記念し、同部の教え子が4日、宜野湾市の同校で退職激励のバスケットボール大会を開いた。1983~88年ごろの教え子が集い、バスケットで交流した。

恩師の上原尚善さん(前列左から4人目)を囲み、笑顔を見せる嘉数中学校バスケットボール部のOBら=4日、宜野湾市の嘉数中学校

 上原さんは83年に新任教員として嘉数中に赴任した。バスケ部は前任の顧問が転勤し、顧問不在の状態だった。生徒たちから顧問への就任を懇願され「バスケの経験がなかったので、最初は断っていた」という上原さんだが、熱意に押され引き受けることにした。

 当時、キャプテンを務めていた宜野湾市の会社員比嘉嗣雄さん(49)は「顧問がいないとバスケができなくなると思い、職員室に何度も通った。練習ではとにかく走らされた」と振り返った。

 副キャプテンだった沖縄市の介護職山城政次さん(49)は「自分もバスケットの指導に関わっているが、その土台は上原先生に教わった。感謝している」と述べた。

 上原さんの赴任後、初年度は2回戦負けだったが、次第に力を付け転勤間際の88年度は全九州中学生バスケットボール大会で優勝した。上原さんは「バスケットが分からなかった自分に生徒も保護者もよく付いてきてくれた。自分も頑張らないといけないと思い、ルールや指導法を必死で学んだ。生徒たちから部活動指導の心構えと楽しさを教わった」と目を細めた。