社会

持ち主待っています×4万点 観光客増加の沖縄を悩ますもう一つの問題

紙袋にまとめられ、所狭しと並べられている忘れ物の一部。奥には数台のベビーカーも置かれている=10日、豊見城署

 那覇空港での忘れ物が年々増加している。沖縄県警によると、2018年に那覇空港で発見された忘れ物の数は前年より5285点多い4万4679点に上った。中でも文庫本、帽子、イヤホンが忘れ物のトップ3を占める。観光客が増える夏場は水着の忘れ物も目立つという。那覇空港の忘れ物を管理している豊見城署では、落とし主が観光客だった場合、沖縄を離れてしまう前に忘れ物を返還できるように迅速に手続きを済ませるため、署員が休日出勤をせざるを得ない状況だという。

 沖縄を訪れる観光客は1千万人を目前にするなど増加の一途をたどるが、観光客数に比例するように、忘れ物の数も増加している。県警は忘れ物への対応を強化するため、2018年に「拾得物対策係」を新設。今年4月からは専従職員も配置した。豊見城署では17年に担当課に署員2人を追加配置し、現在は9人で対応しているが、日々持ち込まれる忘れ物の数に対応が追い付いていないのが実情だ。


 豊見城署の2階建ての倉庫には、衣類や化粧品などが紙袋にまとめられて所狭しと並べられている。中にはスーツケースや炊飯器、ベビーカーなども持ち込まれ、持ち主が現れるのを待っている。県警によると、18年の1年間で同署に持ち主が取りに来た割合は7%程度にとどまるという。

 持ち主が現れないまま3カ月間の保管期間を過ぎると売却や廃棄となるが、廃棄の際の分別も署員の仕事となる。化粧品などの場合は中身と容器を別々にしなければならないこともあるため、手間がかかるという。担当者は「忘れ物への対応で、他の業務への支障も出ている。まずは忘れ物をしないよう、持ってきた物はきちんと持って帰ることを心掛けてほしい」と話した。
 (嶋岡すみれ)