嘉手納でのパラシュート降下訓練「やむを得なかった」 岩屋防衛相〝例外的〟と認識 沖縄県や地元自治体は「例外が常態化」と反発


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岩屋毅防衛相

 【東京】岩屋毅防衛相は24日の会見で、米空軍が嘉手納基地で21日に実施したパラシュート降下訓練について「やむを得なかったと判断している」と述べ、日米で確認されている例外的措置に当たる訓練だったとの認識を示した。また、米軍が日米合意通り伊江島補助飛行場での訓練を実施するため計画している大型救助船が導入されても、嘉手納基地での訓練が「ゼロになるということではない」とも語った。

 パラシュート降下訓練は1996年のSACO合意で伊江島補助飛行場で実施するとされたが、日米合同委員会は2007年に嘉手納基地を「例外的な場合に限って使用する」と追加で確認している。だが今年に入って嘉手納基地での実施が相次ぎ、県や地元自治体は例外的措置が常態化していると反発している。

 岩屋氏は会見で、米側から海の状況が悪く伊江島での訓練実施が困難であったことや、今年に入り伊江島での訓練を5度中止しているとの説明があったとして「米側としても例外的な訓練を行わざるを得なかったという認識だった」と述べた。

 一方、米軍が購入手続きを進める大型救助船があったとしても、気象状況により「伊江島での実施が難しい場合も起こりうる」と話し、嘉手納基地での実施が完全になくなるわけではないとの見方を示した。

謝花喜一郎副知事

「県民の気持ち考えて」副知事

 謝花喜一郎副知事は24日、米軍嘉手納基地で21日に実施したパラシュート降下訓練について岩屋毅防衛相が「やむを得なかった」と発言したことに対し「県民の気持ちを考え『やむを得ない』で済まさないでほしい」と反発した。「もっと別の方法はないのかというのを考えてもらうのが政府の責任だ」と指摘。「米軍にとって対処能力の維持ということがあるかもしれないが、我々はここに住んでいる。それを踏まえてしっかりしてもらわないといけない」と強調した。