宮古馬を守るには?「飼育者をふやさないと…」補助金増額求める声も


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飼養環境の問題や飼養者の不足などが議論されている宮古馬(資料写真)

 【宮古島】2019年度宮古馬保存会(会長・宮國博教育長)が16日、宮古島市城辺庁舎で開かれた。19年度の事業計画、収支予算案などが審議・承認された。予算案の審議では、宮古島市からの補助金が増額したものの、「宮古馬の育成に必要な諸経費に使える金額はわずかしか増えていない」などの意見が出た。

 県の天然記念物に指定されている宮古馬を巡っては、昨年末にインターネット上や一部報道で不適切な飼育環境が指摘されていた。宮古馬保存会事務局となっている宮古島市教育委員会は「虐待はない」との見解を示した一方で、飼養者の一部でふん尿処理が行き届いていないこと、飼養スペースが狭いことを認めた経緯がある。

 予算案審議では、同会の理事を務める市農林水産部畜産課の友利勝彦課長が「飼育管理者からの補助金増額希望は依然として多い。自己負担をしている人も多く、経費の予算を確保する必要がある」と指摘。さらに「飼育者の数が少ない中で、個人の能力を超えて飼育している人もおり、飼育者数を増やすことが急務だ」と述べた。

 宮國保存会会長は「今後も何らかの形での支援策を考えたい。飼養者数の増加を図る活動への取り組みも重要だ」とし「補正という形を取って、増額できる部分は柔軟に増額していきたい」と述べた。