被害者の暴言、暴力に被告は追い詰められていた 42歳の息子を刺した70歳父に猶予刑


社会
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那覇地裁

 那覇市の自宅で息子=当時(42)=を包丁で刺したり切りつけたりし、殺害しようとしたとして殺人未遂の罪に問われた父親(70)の裁判員裁判で、那覇地裁の佐々木公裁判長は24日、懲役3年(懲役同7年)、保護観察付きの執行猶予5年の判決を言い渡した。

 佐々木裁判長は強固な殺意に基づく危険性の極めて高い犯行で、被害者は重い後遺症を残すことが見込まれ結果も重大だと批判した。一方で、被害者が家族に対し長年続けた暴言や暴力などの問題行動に、父親は追い詰められたとし「厳しく非難すべきであるとまでは言い切れない」と述べた。

 父親が事実を認め反省し、被害者も重い処罰を望んでいないことなどから社会内で更生を図る機会を与えるのが相当と判断した。