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与那国も…弾薬を保管しているのに、説明なし 陸上自衛隊配備、地元には「貯蔵庫」  防衛省「隠す意図ない」

防衛省が「貯蔵庫」と説明していた与那国駐屯地の火薬庫=2016年12月(猪股哲さん提供)

 2016年3月の与那国島での陸上自衛隊沿岸監視隊配備に関して、防衛省が事前の地元説明で、駐屯地内に整備する弾薬保管のための「火薬庫」を「貯蔵庫」と示していたことが27日までに分かった。配備を巡っては島が賛否で二分され、15年2月の住民投票で「賛成」が上回る結果となったが、弾薬保管について明確な説明がないまま駐屯地建設が進められたことになる。防衛省の担当者は「部隊を配備する以上、任務に必要な弾薬を持つのは当然のことで、隠す意図はなかった」とした。

 陸自配備を巡っては、今年3月に宮古島市に新設された宮古島駐屯地でも、防衛省が事前の計画段階で地元住民にミサイルは置かないと説明していた「保管庫」に、実際には迫撃砲の砲弾や中距離多目的ミサイルの弾薬が持ち込まれていたことが判明。住民から「事実上の弾薬庫だ」との反発を招き、防衛省は砲弾や弾薬を島外に搬出した。


 宮古島配備に先立つ与那国島の計画でも、弾薬保管に関する説明は明確ではなかった。13年8月の防衛省による与那国町への説明資料では「貯蔵庫施設」と記載され、14年4月作成の部隊配置に関する概要資料でも「火薬庫」の表記はない。同省の担当者は当時の地元への説明について、弾薬保管よりも「沿岸監視レーダーの人体への影響などについて、懸念や論点が集中していた」と述べた。

 同省は弾薬保管について「隠す意図はなかった」と説明するが、宮古島と与那国双方のケースからは、「弾薬庫」や「火薬庫」の語感が周辺住民の機微に触れることから、「貯蔵庫」「保管庫」などの文言が使用された可能性も浮かび上がる。

 自衛隊の施設整備の際に用いる呼称には弾薬庫、火薬庫、貯蔵庫、保管庫などがあるが、防衛省によるとこれまで明確な定義はなかった。だが宮古島での問題を受け、今後は火薬類を扱う建物について「火薬庫」と表記することで統一するという。