足のトラブルないですか? 沖縄県内唯一!ハートライフ病院に専門のセンター開設


社会
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「足と傷のセンター」を担当する東盛貴光形成外科部長(後列左から4人目)ら=29日、中城村のハートライフ病院

 足のトラブルを専門的かつ総合的にケアしようと、沖縄県中城村のハートライフ病院は29日、「足と傷のセンター」を開設した。同病院によると、足に特化して診療を行うのは県内では唯一となる。医師や専門知識を持つ看護師、理学療法士など多職種で連携しチームで治療に当たる。開設準備を担った形成外科部長の東盛貴光医師は「さまざまな職種で一丸となって足の傷と闘っていきたい」と意気込んだ。

 東盛医師らによると、健康のためには歩くことが重要となる。歩行困難になると筋肉減退や認知機能の低下などの影響が出る。日本では足にトラブルがあっても、どの診療科を受診していいか分からずに悩むことが多い。外反母趾(ぼし)など骨の変形は整形外科、皮膚の疾患は形成外科や皮膚科など、診療科は多岐にわたる。

 一方、欧米は足のケアに対する意識が高い。米国には専門の「足病医師」が、ドイツには医学的な知見がある靴調整技術者がいるという。

 東盛医師は「足の傷を診ていると、医師1人ではどうしようもないと感じる経験が多々あった」と話す。29日に開設したセンターでは米国やドイツの専門職とも連携するほか、10以上の職種が携わってチーム医療を提供する。

 糖尿病や閉塞(へいそく)性動脈硬化症の患者は、慢性的に足にリスクを抱えがちだ。センターでは傷が治らない、指先が黒ずんでいる、足が冷たい―といったさまざまな症状に対応する。予防やリハビリもサポートしていく。

 当面の間、毎週水曜の正午~午後4時に外来診療を受け付ける。開設のセレモニーで佐久川廣院長は「高齢者の自立の意味でも足の治療は大事だ。センターの開設で地域の健康寿命に少しでも貢献できたらと思う」と語った。