沖縄防衛局が県に申請している名護市辺野古海域のサンゴの特別採捕許可申請について、行政事務処理の目安となる「標準処理期間」を県が以前から誤って運用していたことが1日までに取材で分かった。「県漁業調整規則」では標準処理期間を休日を含まない45日間と定めているが、県は休日を含めて期間を計算していた。今後は正しい処理期間を適用するという。
ただ県は実際の手続きでは、誤った処理期間を超えて許可・不許可を判断してきた。県水産課は、誤った運用を公表していない理由について「今までの申請でも休日を含めない場合の標準処理期間を超えていた」と述べた。期間を超え判断してきた理由については「研究者の(少量の申請)と異なり、何万ものサンゴを移植する(防衛局の申請は)通常の標準処理期間に該当する物とは別物だと考えている」と釈明した。
正しい処理期間と比較すると、最新の申請事例では28日間ずれがあった。県水産課は「いろいろと調べていく段階で、休日が期間に含まれないことに気付いた」と述べた。「日数は正確ではなかった」と誤りを認めた。
沖縄防衛局は4月26日に埋め立て予定地区の大浦湾側に生息する小型サンゴ類3万8760群体を移植するための許可を県に申請した。
これまでの誤った運用では6月10日に標準処理期間を終える予定だったが、休日を含めない正しい運用では、処理期間は7月8日まで延びる。
一方、県の「許認可等事務処理標準日数設定要綱」にも、処理期間に休日を算定しないよう規定している。だが県水産課は同要綱にも気付かなかった。
5月17日の知事の定例会見で、報道機関から「標準処理期間の期限は来月(6月)だが」と問われた玉城デニー知事は「(申請から)45日だから、7月8日が該当日だ」と答えていた。
(石井恵理菜、大橋弘基)