窓ガラスが割れた校舎、亡くなった児童の絵…宮森小ジェット機墜落事故を写真や遺品でたどる 平和資料展が開幕


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平和資料展で大きな油絵や水墨画をじっと見つめる来場者ら=1日、うるま市の石川歴史民俗資料館

 【うるま】旧石川市の宮森小学校で1959年、米軍戦闘機が墜落し、児童ら18人が犠牲になった事故から30日で60年となるのを前に、写真や遺品類を通して事故の様子を伝える平和資料展が1日、うるま市の石川歴史民俗資料館で始まった。7月31日まで。遺族らでつくる石川・宮森630会とうるま市教育委員会が主催する同展に、初日から多くの人が足を運んだ。

 窓ガラスが割れた校舎や、けがをして担架で運ばれる児童を撮影した写真などを展示。亡くなった児童が描いた絵や日記も公開した。当時石川中の巡回教員で事故直後、宮森小に駆け付けた伊波則雄さん(81)が描いた大きな油絵や、版画家の棟方志功氏が遺族らに贈った水墨画などを展示。琉球朝日放送が、事故から40年目に制作した特別番組も視聴できる。

 孫と訪れた神谷美佐子さん(68)は当時、市内の伊波小に通っており、戦闘機の墜落後、近くの山に登って黒煙が上がるのを見たという。「知らないよりは知っておいたほうがいい出来事だ。また、いつどこで落ちるか分からない」と語った。

 資料展は入場無料で毎週月曜が定休日。市教委は平和学習としての利用も呼び掛けている。