「一瞬にして奪われた命がある」 宮森小米軍機墜落事故 当時小学5年生の男性が石川高校で講演


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米軍ジェット機墜落事故について語る「石川・宮森630会」の久高政治会長=5月28日、うるま市の石川高校

 【うるま】石川・宮森630会の久高政治会長は5月28日、60年前に起きた宮森小学校米軍ジェット機墜落事故について、沖縄県うるま市の石川高校で講演した。同校の生徒や教員が熱心に耳を傾けた。当時、宮森小の5年生だった久高会長は冒頭「一瞬にして奪われた命がある。この事故を通して、平和とは何なのか考えてほしい」と訴えた。

 事故が起きた原因について「整備不良のジェット機が離陸後エンジントラブルを起こした。住宅地を巻き込みながら宮森小に墜落、炎上した」と説明。がれきの山となった住宅地の写真や傷を負った児童の生々しい写真も紹介した。

 久高会長は「苦しみや悲しみが癒えることはない。遺族の中には今も急にうつむき、涙を流す人がいる」と話した。生徒会長で同校3年の山川拓人さん(17)は「一日一日を大切にし、友達や家族に感謝の気持ちを持ちながら過ごしたい」と感謝の言葉を述べた。