大同火災の3月期は減収増益


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 大同火災海上保険(那覇市、与儀達樹社長)は31日、減収増益の2019年3月期の決算を発表した。売上高に当たる正味収入保険料は、他社からの受再保険料の減少で前期比0・1%減の166億9100万円だった。本業の業績を示す保険引受利益は、台風24、25号の影響で支払保険金が増加したことなどから18億2千万円のマイナスとなった。

 一方、有価証券売却益の増加によって経常利益は同4倍の7億8千万円、純利益は同12・2倍の5億1600万円だった。

 今後の台風損害に備え対応で、大きな災害が発生した際に取り崩す異常危険準備金について、限度額を10億円程度上回る額まで積み立てた。与儀社長は「数年かけて積み立てるやり方もあるが、健全性を担保することを最優先とした」と話した。

 正味支払保険金は、台風被害が大きかったことから火災保険が同3・95倍の14億7600万円、自動車保険は同3・3%増の58億4200万円。合計では同16・5%増の93億800万円だった。正味収入保険料から正味支払保険金や事業費などを差し引いた営業収支残高は6億400万円のマイナスに転じた。

 損保会社の収支状況を表す指標で、100%を下回れば収支状況が良いとされる「コンバインド・レシオ」は103・6%で、4年ぶりに100%を超えた。支払い能力など財務の健全性を示す「ソルベンシー・マージン比率」は同13・3ポイント増の582%となり、健全性の基準とされる200%を大きく上回っている。

 20年3月期は、正味収入保険料で170億5700万円を目標としている。与儀社長は「トップラインの伸び悩みを挽回する。また、台風に左右されない分野を伸ばしていく。自動車保険だけでなく、総合的なリスクコンサルタントを通じてトップラインを確保していきたい」と話した。