モバイルプリンス
SNSでいろんな人が自分の意見を主張しているのをよく見かけるね。そうした時代だからこそ「トーンポリシング」という言葉を覚えておこう。
トーンは「話し方」、ポリシングは「取り締まり」で、「話し方や言葉づかい、態度を批判し、論点をずらす行為」という意味だよ。いい意味では使われないんだ。
そんな言葉があるんですね。初めて知りました。具体例を教えてください。
モバイルプリンス
例えば、セクハラ被害を「セクハラ野郎は許さない」など感情的な言葉で訴える女性がいる。
女性の主張をSNSで見た第三者が「セクハラにあったことはかわいそうだけど、そんな言い方は良くないよ!」とセクハラ問題については触れず、女性の言葉づかいを問題にしているね。
これが、トーンポリシングだよ。
モバイルプリンス
トーンポリシングする人たちは「冷静になって」と味方のフリをしてアドバイスするよ。
しかし、強く何かを訴えている人は「冷静に言っても誰も聞いてくれない! だから怒りが爆発して言っているんだ」と追い詰められていることが多いんだ。
トーンポリシングをされると、被害者の主張が伝わらず、さらに追い込んでしまうことになるかもしれないね。
モバイルプリンス
LGBT(性的少数者)のデモやパレードに対しても「そんなやり方じゃ世間に理解されない」とデモ自体を否定しトーンポリシングする人がいるよ。
障がいがある人やセクシャルマイノリティーの人たちは、制限されている権利や差別についてこれまでも冷静に主張してきたんだ。だけど聞いてもらえない。
そのため、伝わるように声を大きくしデモやパレードをする。そうするとトーンポリシングが飛んでくる。という流れになっているんだよ。
そうなんですね。
モバイルプリンス
難しいニュースに対して「でも被害者の言い方もよくないよ」という意見は、冷静に物事を見ていて賢いイメージを抱くかもしれないね。
しかし、それはトーンポリシングだ。
知らず知らずのうちに、自分がこうした態度を取らないように気をつけたいね。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。