社会

立法院選挙への影響懸念 宮森小墜落賠償問題 USCAR文書で明らかに

1960年7月25日、米国民政府のエドワード・フライマス渉外局長が回報として回した内部文書の原文

 児童ら18人が犠牲となった1959年6月の宮森小学校米軍ジェット機墜落事故の負傷者への賠償問題で、琉球列島米国民政府(USCAR)や旧石川市の石川長栄市長(当時)が、60年11月に実施される立法院議員選挙への影響を懸念していたことが、USCARの内部文書で分かった。これまでもその可能性は指摘されてきたが、文書で示されたのは初めて。

 文書の訳文が石川・宮森630会が今月刊行した翻訳資料集「石川・宮森の惨劇」に収録されている。

 USCARのエドワード・フライマス渉外局長名の60年7月25日付文書には、負傷者への賠償について「左翼勢力(政治家)は賠償問題をさらに取り上げ、賠償額の批判を強め、石川事故を彼ら自らのために最大限政治利用を図ろうと勢いを増すことが見込まれる」と記している。

 フライマス渉外局長がジョン・アンドリック首席民政官に宛てた同年3月11日付文書にも「彼(石川市長)が恐れるのは、左翼らが介入してくる11月の立法院総選挙期間中にこの問題を取り上げることだ」との記載もある。賠償問題は選挙直前の60年10月、米側と負傷者が支払額などで合意した。立法院選の結果は定数29のうち自民など保守系23人、社大、人民など革新系6人という結果だった。

 同資料集の監修を務めた保坂廣志氏は「米側も選挙に与える影響を懸念していたことが明らかになった。選挙前、多額の高等弁務官資金が自治体に支払われている。(賠償問題決着と高等弁務官資金の)どちらも選挙の結果に影響を与えた」と語った。