石垣・ブランド米販売へ みやぎ米穀が自社に加工設備導入で6次産業化


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 【石垣】沖縄振興開発金融公庫八重山支店(比嘉努支店長)は14日、農業生産法人みやぎ米穀(石垣市、宮城翔伍社長)に農林漁業資金(青年等就農資金)を適用し、2千万円を融資したと発表した。

沖縄振興開発金融公庫の比嘉努支店長(右から2人目)と握手を交わすみやぎ米穀の宮城翔伍社長(左)と宮城智一顧問(右)、みやぎ米屋の宮城隆社長=14日、沖縄振興開発金融公庫八重山支店

 同社は融資を活用し、これまで外部委託していた収穫米の「加工」過程を自社で行えるよう米乾燥調製設備を導入。グループ内で生産・加工・販売が完結する6次産業化を実現した。早ければ今秋に収穫する二期米から、自社ブランド米として売り出す考えだ。

 米栽培を手掛けるみやぎ米穀は、米卸売業のみやぎ米屋(石垣市、宮城隆社長)のグループ企業で、作付面積は県内最大規模の年間約28ヘクタール。みやぎ米穀が米の栽培・収穫を行い、みやぎ米屋が精米から販売を担当してきた。

 これまで収穫から精米の間にある「乾燥・もみすり・玄米選別」過程はJAに委託してきた。設備導入により委託料の軽減が図れるほか、処理待ち時間がなくなるため、より新鮮な状態で精米することができ、味の向上にもつながるという。

 みやぎ米穀の宮城智一顧問(みやぎ米屋常務)は「石垣島はひとめぼれが有名だが、それ以外のおいしい米も味わってほしい」と語った。今後、自社ブランド米の名称決定や商標登録などの手続きを進める。

 比嘉支店長は6次産業化の成功に加え、みやぎ米穀が進める「IT農業」にも触れ、「まだまだわくわくする展開が待っている。IT農業の部分でも支援できれば」と期待を寄せた。