プロバスケットボール選手として琉球ゴールデンキングスなどで活躍した県出身の与那嶺翼(36)=北中城高―日本体育大出=が、13年におよぶ現役生活に幕を下ろした。来季の2019―20シーズンからは、Bリーグ3部の岩手ビッグブルズのアシスタントコーチ兼アカデミーコーチに就任する。現役引退を決めた背景や、指導者としての新たな道へ踏み出す決意を聞いた。
―引退を決めた理由は。
「心も体もまだプレーできる自信はあるし、選手としてB1の舞台に立ってから引退したかった。ただプレーできる残りの時間が減ってくる中で、元々あった指導者になりたい気持ちが強くなり、1年前にコーチの道に進もうと決めた」
―岩手のACに就任した経緯を教えて欲しい。
「5月に元々所属していた岩手に『(コーチの)チャンスをもらえないか』と自分からアプローチした。そしたらすぐに決まり、そのおかげで現役引退に対する後悔とかは全くなく、今は前しか向いていない。選手としてはできなくても、コーチとしてB1の舞台に立ちたい」
―なぜ指導者になりたかったのか。
「コザ中バスケ部時代の恩師である満島恵作先生のおかげで、当時ヤンチャだった自分が周りを見られるようになった。それ以来、体育教師になりたかった。プロになってからは多くの人や選手に接したり、戦略を練ったりするのがより好きになり、漠然とコーチを目指すようになっていた」
―岩手ではどんなACになりたいか。
「岩手は2年所属した。(東日本大震災の)復興のシンボルにもなっているチームで、bjリーグ時代はファイナルにも進出して盛り上がっていた。ただ最近は元気がない。見ていてワクワクするチームをつくりたい」
―現役生活13年を振り返って。
「いろんな人に巡り会い、本当に恵まれた環境だった。感謝の一言しかない」
―県民にコメントを。
「地元キングスでプレーした4年間はかけがえのない時間だった。沖縄の人に支えられ、ここまで成長できた。人格的にも成長し、将来は高いレベルで、ヘッドコーチ(HC)としても指揮したい。今後も応援よろしくお願いします」
(聞き手 長嶺真輝)