宮森小ジェット機墜落事故を劇で語り継ぐ 沖縄・北谷の高校生が熱演


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宮森小米軍ジェット機墜落事故を舞台で表現する北谷高校の生徒有志ら=21日、沖縄市民会館

 【中部】北谷高校の生徒有志らは21日、うるま市石川(旧石川市)で60年前に起き、児童ら18人が犠牲になった「石川・宮森小米軍ジェット機墜落事故」を語り継ぐ舞台「フクギの雫(しずく)」を沖縄市民会館で上演した。同校の平和学習の一環で、生徒や教員、関係者が鑑賞した。出演した生徒らは舞台を通して命の大切さや平和の尊さ、事故から60年たっても変わらない沖縄の現状を訴えた。

 事故後50年の節目に結成された「ハーフセンチュリー宮森」の同名舞台が基になっている。宮森小2年生だった祖父が孫に当時の様子を語り、回想する物語。現在も苦しむ遺族の様子も表現した。劇中の群読では、生徒の自主的な提案で、浦添市立浦西中学校で今月4日に発生した米軍機の部品落下事故について触れた。

 最前列で鑑賞した北谷高3年の比嘉柊太郎さん(17)は「事故の恐ろしさを再確認した。出演した同級生に、舞台を通して学んだことを今度じっくり聞いてみたい」と話した。

 先生役を演じた3年の多和田妃菜さん(17)は公演後、「このような事故はいつ起きるか分からない。自分のこととして考える人が増えてくれたらうれしい」と語った。