試合終了を告げるホイッスルが鳴ると、FC琉球の選手たちは悔しそうに下を向いた。主力選手を数人欠く中でも、前半はほとんどの時間で主導権を握って甲府を圧倒した。しかし攻撃のスイッチが入った元J1チームの勢いに押し切られ、2―5で逆転負けした。
守備ブロックを敷く甲府に対し、細かくパスをつないで裏を狙い続けた。前半23分に風間宏希がFKで先制した後、37分には河合秀人が50メートル以上の距離を単独で突破し、フリーの越智亮介へ。越智は落ち着いて決めて、2点目とした。
ただ、進撃はここまでだった。攻撃を受け続けていた甲府が一変、積極的に圧力をかけ、カウンターからリズムをつくり出す。ボールを奪うと素早く攻守を切り替え、何度も決定機をつくられた。琉球も随所で守備を崩し、シュートを放つが、1点が遠かった。
上里一将主将は「琉球のサッカーは選手同士で助け合ってできている。今日はそれが足りていなかった」と振り返った。ゴールゲッターの鈴木孝司は「記録はいずれ途切れる。次の新しいチャレンジに向けて頑張りたい」と前を向いた。
(喜屋武研伍)
サッカー明治安田J2の第19節、FC琉球は22日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでヴァンフォーレ甲府と対戦し、2―5で逆転負けを喫した。更新を続けていたJリーグのホーム無敗記録は30試合連続で途切れた。通算成績は6勝7分け6敗で勝ち点は25のまま。次節は29日午後6時から、トランスコスモススタジアム長崎でV・ファーレン長崎と対戦する。
(1)タピスタ
琉球 6勝7分け6敗(25)
2―5(2―1,0―4)
甲府 9勝6分け4敗(33)
▽得点者 【琉】 風間(1)越智(1)【甲】 佐藤和(1)横谷(4)ウタカ(9)森(1)内田(1)
▽観客 3952人
【評】琉球は主導権を握った前半、23分にFKで風間宏希が先制すると、37分に越智亮介が追加点を挙げた。しかし徐々に攻撃のギアを上げてきた甲府に前半終了間際に1点を返される。甲府の息の合った連係によって15分間で3失点、ロスタイムでも1点を失い、2―5で逆転負けした。