沖縄沖で波力発電の実証実験開始へ OISTが実用化目指す


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ダクト型波力発電機のダクトに座るOISTの新竹積教授=1日午前、恩納村瀬良垣

 沖縄県恩納村谷茶の沖縄科学技術大学院大学(OIST)が県内で初めて波力発電の実証実験を始める。2018年5月から約10カ月間、インド洋の島しょ国モルディブで実施した実験結果を基に、発電機を大型化。3日から村瀬良垣の沿岸部に設置する。実験を担うOISTの新竹積教授(63)は「最大のテーマは台風に耐えられるかどうか。将来、台風が来たら電気が生まれる社会を実現できたら」と話した。

 OISTは波力発電の実用化を目指し、モルディブで直径35センチのタービンを備えた「ハーフサイズ波力発電機」2機を設置して実証実験を実施した。発電機は海岸に打ち寄せる波の力でプロペラを回して電気を生み出す仕組み。波の力が働く場所であれば昼夜を問わず発電できる。

 ハーフサイズでは1時間平均で約100ワットの電力を生み出した。新竹教授は「漏電やさびなど問題はいくつもあった。耐海水性を保持できるかがテーマだったが10カ月後に確認してすべてクリアした」と説明する。

 今回設置するのはハーフサイズを大型化した「ダクト型波力発電機」でダクトとタービンが一体となっている。ダクト型では1時間平均で約1キロワットの電力が得られるという。