「住民も監視対象なのか」沖縄・宮古、与那国への自衛隊配備で情報保全隊の配置に住民から不安の声


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 【宮古島・与那国】宮古島市や与那国町への陸上自衛隊配備で、自衛隊内外の情報を収集する情報保全隊が配置されていたことを受け、地元住民からは「きちんとした説明を受けていない」「(駐屯地の)規模拡大を見据えているのではないか」などと不安や懸念の声が上がった。

 宮古島への自衛隊配備に抗議を続けている「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の仲里成繁代表は、情報保全隊について「(防衛省から)これまでに説明を受けたことはない」と話す。宮古島駐屯地に多数の監視カメラが設置されている現状に触れ「既に住民の監視は始まっているのではないか」と懸念を示し、「われわれは抗議はしているが、違法な行為をしているわけではないので、監視されるいわれはない」と強調した。

 「宮古島・命の水・自衛隊配備を考える会」の岸本邦弘代表は「情報の収集や統制は軍という組織にはつきものだが、非武装の住民までもその対象になると、人権に関わる問題になりかねない」と指摘する。「情報の非対称性が生まれることで、一方にとって都合の悪い人間を簡単に排除することも可能になる。先の大戦のような状況になってしまわないか不安を感じる」と眉をひそめた。

 与那国島に配備されている自衛隊の運用をチェックする活動をしている「与那国島の明るい未来を願うイソバの会」の山口京子さん(60)は「地域に溶け込もうと地域活動に参加する自衛隊員の中にも、調査活動をする人がいるかもしれないと思うと変な気分がする」と話す。「この規模の駐屯地に配置する意味も分からない。想定していた以上に駐屯地も大きく、組織もきちんと整備しているということは、将来的に規模を拡大しようとしているのではと考えてしまう」と懸念を示した。