琉球はここ5試合勝ちなし、前回のホーム戦は地元無敗記録が30試合連続で途切れるなど、暗いトンネルを突き進んでいた。しかし再び地元のピッチに立つと、息を吹き返したように、超攻撃的サッカーを展開し、3―0で完勝。試合後、サポーターたちは温かい拍手と指笛で選手たちを迎え、新たな歴史の幕開けを祝っていた。
奪った3点はどれも琉球が追い求める理想の形だった。1点目は、富所悠が素早い縦パスを鈴木孝司へ入れ、鈴木はGKをかわして流し込む。2点目は右サイドから河合秀人のクロスをを、ニアサイドで西岡大志が押し込んだ。3点目は左サイドの鈴木からまたしても素早いクロスを越智亮介が体でねじ込んで3点目とした。
5バックで堅い守備を築く栃木に対し、縦、クロス攻撃と多様に仕掛け続けて守備を崩していった。
5日の練習でけがをした西岡は、右腕にテーピングを巻きながらの出場だった。満身創痍(そうい)の中でも「点を取りたい、気持ちが強かった」(西岡)と振り返った。
樋口靖洋監督は「ホーム無敗記録は途切れた。だがこの1勝は、もう一度記録をつくるための1歩目としたい」と語った。新たな記録へ向け、琉球は再び走りだした。
(喜屋武研伍)
越智亮介が節目の試合で得点
MF越智亮介がダメ押しの3点目をねじ込んだ。自身はJリーグ通算200試合目の節目だったが「それほど意識してなかった。得点がほしかった」とチームのため、どん欲にゴールに向かい続けた結果だった。
樋口靖洋監督が「最後まで動き回れる」と評価する無尽蔵のスタミナが持ち味。優れた観察力も武器の一つで、今節は栃木のGKがシュートをキャッチせずに弾く癖を見抜いた。3点目は、こぼれ球を狙いゴール前に飛び出していたところに、鈴木孝司のクロスが上がってきた。
リーグ後半戦へ向けて「後半は先発出場の機会を増やして、複数得点を狙いたい」と闘志を燃やしている。
サッカー明治安田J2の今季折り返しとなる前半最終戦の第21節、FC琉球は6日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで栃木SCと対戦し、3―0で完封した。琉球は栃木に初めて勝利し、リーグは6試合ぶりの白星となった。通算成績は7勝7分け7敗、勝ち点は28に伸ばした。
次節は13日、同スタジアムでファジアーノ岡山とホーム2戦目を行う。
(1)タピスタ
琉球 7勝7分け7敗(28)
3―0(2―0,1―0)
栃木 3勝8分け10敗(17)
▽得点者 【琉】 鈴木(14)西岡(2)越智(2)
▽観客 3082人