宅配業者装う詐欺増加 スマホに偽メッセージ 高額な商品購入の事例も


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記者の元に届いた宅配業者を装ったショートメッセージ(画像を一部加工しています)

 宅配業者を装い、不在宅配を語るスマートフォンのショートメッセージサービス(SMS)を使った詐欺の手口が目立っている。県消費生活センターによると、昨年7月ごろから相談が寄せられ、ことし5月末~6月中旬に増加し、7件の相談があった。メッセージは宅配業者とそっくりの偽ホームページに誘導し、不正アプリをインストールさせる手口で、スマホを乗っ取られたり、第三者にメッセージを送りつけられたりする被害が確認されている。携帯電話のキャリア決済で高額な買い物をされた事例もあり、消費生活センターは注意を呼び掛けている。

 今月1日、記者のスマホに1通のメッセージが届いた。「お客様宛にお荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました。下記よりご確認ください」。送り主は知らない携帯電話の番号だった。

 5日現在、メッセージにあったホームページアドレスはセキュリティーの関係で接続できず、送り主の番号に電話をしてみたもののつながらなかった。このメッセージは詐欺で、送り主となった番号も乗っ取られた可能性もある。

 宅配業者を装ったSMSの被害は全国的に増えている。消費生活センターによると、メッセージにあるホームページにアクセスすると、セキュリティーを解除するよう誘導し、スマホに不正なアプリがダウンロードされる。このアプリがダウンロードされると、携帯電話が乗っ取られ、不特定多数に同じようなメッセージが送られる。

 同センターは「宅配業者がSMSで通知することはない」として、メッセージが届いたら無視し、不正アプリをインストールしないよう呼び掛けている。

 インストールをしてしまった場合は、電源を切ったり、機内モードにしたりするなど、直ちに通信できないようにして専門機関に相談することが必要だとしている。

 不正アプリがインストールされてしまった際の相談はIPA(情報処理推進機構)(電話)03(5978)7509。
 (池田哲平)