契約金に見合わない ごみ収集業者が撤退 那覇の平和通り商店街のごみに不法投棄混入 人手不足も拍車


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集積場に持ち込まれたごみを確認する那覇市平和通り商店街振興組合の役員ら=3日、平和通り

 沖縄県那覇市牧志の「平和通り」の事業者らでつくる那覇市平和通り商店街振興組合が6月末でごみ収集運搬業者から契約を打ち切られた。組合が出すごみに組合員以外の事業者や観光客、住民らが不法投棄したごみが混入し、収集業者が契約金に見合わないごみ処理手数料の支払いを強いられてきたことなどが原因だ。同組合は急いで新たな業者と契約し、7月からは組合員以外が不法投棄しないよう監視している。

 収集業者は平和通り組合と60年以上契約していた。しかし不法投棄に加え、人手不足や契約金の安さ、各店舗前でごみを収集するやり方が長時間労働を招いていることなどが積み重なり、契約終了を決めた。

 市内の事業者が一般廃棄物を出す際、10キロ当たり110円のごみ処理手数料を那覇市・南風原町環境施設組合に支払う。実際はごみを出す事業者と収集業者が、処理手数料に収集運搬料を加えた金額で収集運搬契約を結んでいる。そのため不法投棄のごみが混入すると、収集業者は本来の金額以上の処理手数料を支払うことになる。

 平和通り組合のごみ収集を担っていた業者によると、平和通りでは1日当たり約500~600キロのごみが出ていた。以前、報道機関が不法投棄取材で張り込んだ時だけ、ごみが100キロほど減ったという。

 同組合は新たな業者と契約するに当たり、各店舗前でごみを収集してもらう従来の手法を改め、暫定的に集積場を1カ所に絞った。袋に店舗名を書かせ、ごみを持って来た人が組合員か役員らが確認している。3日にごみを確認していた理事の村上直(ただし)さんは「(この問題を機に)組合員の意識が高まりごみの量が日に日に減っている。分別もきちんとするようになっている」と話した。
 (伊佐尚記)