首相談話で元ハンセン病患者家族へのおわび表明 


この記事を書いた人 問山栄恵

  【東京】ハンセン病患者の隔離政策による家族への差別被害を認め、国に損害賠償を命じた熊本地裁判決を受け、政府は12日午前、判決を受け入れ控訴しないことを正式に発表した。同日午前の記者会見で菅義偉官房長官は「患者・元患者とその家族の方々が強いられてきた苦痛と苦難に対し、政府として改めて深く反省し、心からおわび申し上げる」との首相談話を読み上げ、近く患者・元患者の家族と直接面会する意向を示した。
 
  談話では家族への補償について訴訟への参加、不参加を問わず「家族を対象とした新たな補償の措置を講ずる」とした。
 
  一方、熊本地裁判決が米統治下の沖縄における強制隔離政策は国の責任を負わないとしていることに関連し、県内の患者・元患者の家族への補償の必要性について菅長官は「早急に検討する」と述べるにとどめた。