海底不発弾 誰が処理する? 那覇軍港で発見 米軍は対応せず


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 6月に那覇軍港内の海底から発見され、現在沖合で保管されている不発弾の処理を巡り、各機関の役割分担が不明確になっている。日米地位協定により地元自治体は許可なく米軍基地内に入れないため、陸上の米軍基地で見つかった不発弾は米軍が処理してきた。だが那覇市や県の把握する限り、米軍基地内かつ海中で不発弾が見つかった事例は過去にない。今回発見された不発弾について、那覇軍港を管理する在沖米陸軍は11日、琉球新報の取材に対し「米軍は処理していない」とだけ回答した。

 不発弾は米国製の500キロ爆弾1発で6月11日に発見された。米軍の連絡を受け、海上自衛隊が同12日に沖合5キロ地点に移動させ、海底で保管されている。

 市は米軍の要請があれば市や自衛隊などによる協議会を立ち上げて対応を話し合う考えだったが、7月12日時点で米軍からの連絡はない。

 市は「不発弾は現時点で那覇市の行政区域にあるので早急に対応しないといけない。今回の処理と、今後同様の事例が発生した場合の対応について関係機関と協議する」としている。

 米軍は今回処理していない理由を明らかにしていない。水中爆破処理能力がない可能性や、不発弾が米軍基地外に出されたため関係ないと考えている可能性がある。

 (伊佐尚記)