沖縄でレンタカー業者急増 1カ月約10社が起業 10年で2・4倍、703社 競争激化で料金は全国最安値


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 りゅうぎん総合研究所(照屋保社長)は12日までに、県内レンタカー業界の動向に関する調査リポートを発表した。2007年度に290社だった事業者数は17年度に703社を数え、10年で約2・4倍となった。直近の1年は1カ月に約10社ずつ増えており、主に県レンタカー協会に未加入の個人事業主だという。レンタカーの台数は07年度の2万439台から17年度に3万7327台まで増加。新規参入で価格競争は激化し、県内のレンタル料金は全国最下位だという。

 レンタカーの国内観光客への貸し渡し件数(推計値)は、07年度の110万件から17年度の161万件へと約1・5倍に増えた。外国客はさらに伸びが急激で、13年に2万9752件だったのが17年は23万8552件と4年で約8倍の利用増となった。韓国と台湾がそれぞれ全体の4割を占めている。

 県レンタカー協会の事業者数は12年からほぼ横ばいだが、未加盟業者は12年の196社から17年には282社に増えた。宿泊業や自動車販売業との兼業や、中古自動車を調達して事業を始める新規参入者もいる。

 レンタル料金は、オフシーズンに2泊3日3千円の格安で貸し出す例もあった。また「ワイパーが作動しない」「クーラーが付かない」という苦情など、整備が行き届かない事業者も見られるという。

 車の種別で見ると、12年度から17年度までに、乗用車は協会会員が1万4098台から1万9725台に、未加盟事業者は3832台から6946台にそれぞれ増えた。近年は建設需要の増加からトラックや特種用途車の貸し出し台数も増えており、協会会員のトラック保有台数が399台から907台に、未加盟事業者は1599台から2507台に増えている。

 りゅうぎん総研の上原優奈氏は「レンタル料の値下げで採算が合わなくなり、廃業に追い込まれる事業者が増えることが懸念される」と分析した。