琉球コラソン、黒星発進も昨年王者と攻守接戦 下克上の可能性見えた


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 日本ハンドボールリーグ(JHL)が13日、全国各地で開幕し、琉球コラソンは八重瀬町東風平運動公園で昨季王者のトヨタ車体と対戦し、30―35で敗れて黒星発進となった。

琉球コラソン―トヨタ車体 後半、守備をかわしてシュートを放つ琉球の東江太輝(左)=13日、八重瀬町の東風平運動公園体育館(大城直也撮影)

 高さと得点力を誇る棚原良や技術のある東江太輝に加え、フィジカルと走力のある村田龍らの加入で選手層を厚くした琉球コラソン。昨季王者のトヨタ車体に前半は攻守で各選手の良さがかみ合い、接戦を繰り広げた。停滞した時間帯を素早く打開できずに黒星発進となったが、東長濱秀作監督は「良い反省があり、大きな一歩となった」と昨季最下位からの下克上の可能性を見つけたようだった。

 日本代表を擁するトヨタ車体を相手に、横一線守備の中央を守る棚原良が展開を読んだ押し負けないプレスで相手の動きを止め、松信亮平らがフォローでつぶした。攻撃では東江太輝がポストを警戒させながらの個人技やアシストで的を絞らせなかった。しかし、後半にトヨタ車体が守備を修正すると、単発な攻撃から逆速攻を許し続けたことが敗因となった。

 監督の信頼も厚い東江は点が停滞した時間帯に「じっくり攻めたり、クロスの動きを入れたり、ボールを散らせばよかった」と課題は見えた様子。棚原はベテランらしく「勝つか負けるかの1点差の勝負をしたかった。守備は総合的に良かったが相手エースを抑える約束ができてなかった」と厳しい自己評価を付けた。

 課題も目立ったが監督や石川出主将が特筆したのは新人村田の活躍。シーズン前に存在感を増し、開幕戦では相手守備に体をねじ込むパワフルさを発揮し続けて「コラソンの財産」(東長濱監督)と高い評価を受けた。チームにもフィットして「ハンド人生の中で今が一番成長している」と語る村田は「カットインで押されてもシュートにいけるのが強み。前が空いたら積極的に狙っていく」と、強気に語った。

 (嘉陽拓也)