沖尚 復活Vへ王手 比嘉完封 與谷3打点 


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西原―沖縄尚学 無失点で7回を投げきった沖縄尚学の比嘉大智=20日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(田中芳撮影)

 高校野球の第101回全国選手権沖縄大会第12日は20日、沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝2試合を行い、3連覇の懸かる第1シード興南と、2年続けて8強で涙を飲んでいた沖縄尚学が決勝進出を決めた。

 投打それぞれの立役者が「復活」を印象付ける活躍で5年ぶりの決勝へと沖縄尚学を押し上げた。けがで春は投げられなかった先発比嘉大智は、四死球なしで西原を完封。2年で4番を任されながら、3回戦以降無安打だった與谷友希はチーム最多の3打点で打線をけん引した。比嘉公也監督は「一人一人がやるべきことをやった」と選手の遂行力に手応えを語った。

 15日の準々決勝翌日に先発を伝えられた比嘉。じっくり調整し、直球は最速を2キロ更新する136キロを記録。切れのあるスライダーを際どいコースに決め、的を絞らせなかった。

 春に右肩を痛めたが、諦めず「夏に向けて調整してきた」。今は違和感はない。共に投手陣の中心にいる仲村渠春悟と、今大会で頭角を現した2年永山蒼は「ライバル」。それでも「少しでも多く投げて、2人と交代できるようにしたい」と役割を自覚する。決勝も「いつでも投げられる準備はできている」。優先するのはあくまで勝利だ。

 3回戦から4番に就いた與谷は、3番水谷留佳と5番崔哲瑋が勝負強さを発揮する中、「自分は沖水、美来工科戦で仕事ができなかった」。反省を糧に準決勝は「無心で打つ」と力を抜き、しっかりとミート。2安打に加え、球を見切って2四球を選んだ。

 自信を取り戻し「自分のバッティングをして、先輩と最後の夏に甲子園に行きたい」と意気込む。勝ち上がる度に層の厚さが増している沖尚。5年ぶりの甲子園出場へ、一丸で挑む。

 (長嶺真輝)