安里さん、支援に感謝 再挑戦に期待の声も


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敗戦の弁を述べ、頭を下げる安里繁信さん(手前)と妻の志乃さん=21日午後8時8分ごろ、那覇市牧志の選挙事務所(喜瀬守昭撮影)

 21日午後8時、投票箱のふたが閉まると同時に報道各社が高良鉄美さん(65)の当選確実を報じると、那覇市牧志の安里繁信さん(49)の選挙事務所は重苦しい空気に包まれた。安里さんはテレビ画面を見詰めて、敗戦を受け止めるように何度もうなずいた。

 「『もう一回同じような選挙をして』と言ってもできないくらい、たくさんの支援を頂いた」。敗戦の弁で、安里さんは支援に感謝し、支持者の一人一人と固い握手を交わした。

 シンバホールディングスの会長として企業グループを率いる一方で日本青年会議所会頭などを務め、県教育委員や沖縄観光コンベンションビューロー会長などの公職も歴任した。若手経済人のリーダーとして経済振興や日米地位協定の改定など、幅広いテーマで問題提起を続けてきた。今参院選は基地問題をめぐって県と国の対立が続く状況を憂慮して立候補した。選挙戦は序盤から劣勢が伝えられていたが、持ち前の行動力で県内各地に足を運び、支援を求めた。終盤に追い上げたが届かず、涙をのんだ。

 西銘順志郎選対本部長が悔しさをにじませつつ「どうぞまた皆さん、もう一回繁信に機会を与えてください」と語ると、会場中から大きな拍手が湧き、支持者からは政治家への再挑戦を期待する声が上がった。

安里さん一問一答 最後までやりきった

 ―選挙選を終えての感想はどうか。
 「全ては自分の力不足。多くの方に支えられ、感謝に尽きる選挙戦だった。いろいろな所で、沖縄の政治を変えてほしいという熱量はすごく感じた」

 ―敗因は何だと思うか。
 「きちんと分析しないといけないが、最後までやりきったという達成感と充実感はある」

 ―辺野古の賛否を示さなかった影響はどうか。
 「分析は必要だが、今でも答えは変わらない。民意と法律上の瑕疵(かし)はないという相矛盾した事実が、今日までこの問題を解決できない本質だと思っている。二つの事実の真ん中から答えを見つけていくという考え方には変わりはない」

 ―今後の政治活動についてはどう考えているか。
 「自分一人では決められない。後援会、家族としっかり話し合っていきたい。落ち着いたら判断したい」