ハワイでフラダンサー兼シンガーとして活躍する沖縄県系4世のナプア・グレイグ・ナカソネの公演「ナプア・グレイグ with ハワイアン・フラ・ダンサーズ2019」が16日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟であった。奏者とダンサーの総勢25人がハワイから訪れ、極上のフラと歌声を観客に届けた。ナプアにとっては自分のルーツである沖縄で歌った。時折目を潤ませる姿や、透き通る歌声が観客の胸を打った。
ナプア率いるフラダンスのグループは、フラの世界大会で総合優勝を果たすほどの一流のフラダンサーらで構成されている。ナプア自身も歌手としてはハワイのグラミー賞と称される「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」で最優秀女性ボーカリスト賞を受賞している。
演目はダイナミックな古典フラ「カヒコ」からスタートした。ヒョウタンの形をした太鼓「イプヘケ」の音に合わせて、ダンサーが幻想的で力強い踊りを繰り広げた。
ナプアが登場すると、「アウアナ」と呼ばれる現代フラを披露した。ナプアの潤いのある声が心地よく会場に響き、観客をとりこにした。「カ・ワヒネ・オ・カルア」ではナプアの純粋な歌声に乗せて、ダンサーたちがゆったりと踊った。「アイア・ラ・オ・ペレ」ではナプアがウクレレを軽快に鳴らして歌い、ダンサーたちが疾走感あふれる踊りを見せた。
中盤では唄者の古謝美佐子が舞台に上がり、2人で「てぃんさぐぬ花」を歌った。ナプアは古謝の三線の音色に乗せて伸びやかな歌声を聴かせた。続いて古謝が三線と味のある声で「童神」を歌うと、ナプアは歌への思いをはせながら、しっとりと踊った。観客は共演する2人の姿に涙を流した。
後半は引き続き「アウアナ」が披露され、最後まで気迫あふれる踊りとナプアの歌声で観客を楽しませた。会場には県内で活動する多くのフラダンサーらも駆け付けて一流のフラと音楽を堪能した。「ハワイの歌姫」と呼ばれているナプアは常に明るく、清らかな歌声だった。ぜひまた沖縄を訪れて、再演してほしい。
(金城実倫)