沖縄からLGBTの人権発信へ 来月3日にフォーラム 当事者の南さん街頭でPR


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街頭で「LGBTQフォーラム2019」をアピールする実行委員長の南定四郎さん=26日、那覇市松尾

 自身もゲイで、LGBTなど性的マイノリティーの社会運動を日本でリードしてきた南定四郎さん(87)=うるま市=が、8月3日に県立博物館・美術館で開かれる「LGBTQフォーラム2019」(実行委員会主催)のメッセージボードを掲げ、県内各地の街頭でアピールしている。フォーラムでは、アジア初の同性婚法が成立した台湾の研究者らが講演する。南さんはフォーラムを機にアジアの性的マイノリティーと連帯し、沖縄から少数者の人権思想を発信したい考えだ。

 フォーラムは今年で2回目の開催、南さんが実行委員長を務める。1994年に日本で初めてレズビアンとゲイのパレードを行った経験から「運動を広げるには外に飛び出さないといけない」。24日からうるま市や那覇市の街頭に立ち、手作りのボードでフォーラムをPRしている。振り返る通行人や手を振る運転手もいるという。

 フォーラムでは、ゲイで台湾のLGBT文学が専門の劉靈均(りゅうれいきん)さん(三重大学特任講師)が講演するほか、エイズ医療に関する報告などがある。南さんは沖縄の地理的特長を生かし、台湾やフィリピン、韓国などアジア地域での性的マイノリティーのネットワークづくりを模索している。

 フォーラムは3日午後1~5時で入場無料。南さんは「何か特別なことをしてほしいのではなく、ただ私たちのそばに立ってほしい。孤独から解放され、勇気が出る当事者がいる」と話し、広く来場を呼び掛けている。問い合わせは南さん(電話)090(8430)9074。