【ハイライト・南部九州総体】決勝T進出の相撲・木崎を成長させたものは


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個人予選3回戦 土俵際に追い詰め、寄り切りで勝利した中部農林の木崎誠仁(右)=26日、那覇市の県立武道館(田中芳撮影)

 【南部九州総体取材班】全国高校総合体育大会「感動は無限大 南部九州総体 2019」は26日、先行開催競技が九州各地で行われた。沖縄県内では相撲が始まり、中部農林の木崎誠仁、仲里智隆が優秀32選手決定トーナメントへの進出を決めた。団体は予選1回戦が行われ、中部農林が先勝し、北部農林は敗れた。27日は個人の同トーナメントと、団体予選の2、3回戦が行われる。宮崎県では女子バレーボールが行われた。予選を突破し、抽選により2回戦から出場した首里は0―2で九州文化学園(長崎)に敗れ、16強止まりだった。ソフトテニスは男子個人戦が行われ、県勢はいずれも3回戦までに敗退した。27日は鹿児島市の鹿児島アリーナで総合開会式を行い、大会は本格開幕となる。

◆教えに忠実、3戦全勝 成長株・木崎、冷静に

 中部農林の木崎誠仁は、攻め気を全面に出すこれまでの相撲ではなく、冷静に勝ちに徹する強さを発揮し、個人予選を3戦3勝して優秀32選手決定トーナメントに進出した。「練習から日本一を意識している。こんなところでは負けられない」。2年生の成長株に隙は無かった。
 1、2試合は相手より体格とパワーで上回っており、数秒で勝利。3試合目は同等の選手だが、立ち合いから相手に相撲をさせない。腰を低く常に相手を正面にとらえ、後ろ足を残して踏ん張る相手を確実に寄り切った。「先生方に教えてもらった相撲をすれば上位に入れる。そのために万全の状態に持っていくだけ」と淡々と語る。
 九州総体の100キロ以上トーナメントでは納得いく相撲ができず2回戦で敗退。指導してきた小濱寿教諭は「これまでは勢いが空回りしてきたが、九州総体を終えた後から意識が変わり、その積み重ねが冷静に力を出し切る相撲となっている」と評価する。短期間で一皮むけた木崎に「この調子だと27日も面白い相撲が見られる」と期待する。
 12月に開催する大相撲沖縄場所のPRのため、親類の木崎海や美ノ海も26日に沖縄に戻ってきた。木崎は「2人には小さいころからかわいがってもらったので成長した姿をしっかり見せたい」と、自信に満ちた言葉で語った。 (嘉陽拓也)

※注:木崎の「崎」は、「大」が「立」の下の横棒なし