全国高校総合体育大会で27日に行われた団体相撲では、中部農林が予選を突破し28日の決勝トーナメントに駒を進めた。
中部農林大将の與那覇大地が決勝トーナメント進出の懸かる大事な一戦で持ち前の勝負強さを発揮した。自分より大きな相手にひるまず、出し投げを繰り出し、決勝トーナメント進出を勝ち取った。與那覇は「負けたら明日はない。ここは絶対に勝つという強い気持ちだった」と振り返った。
予選2回戦を1勝4敗と圧倒され迎えた3回戦。先鋒(せんぽう)の仲里智隆が押し出しで勝利したが、続く喜屋武竜希、玉城頼が共に敗れる。副将の木崎誠仁が持ち前のパワーを生かし、開始わずか数秒で相手を退け、星を2勝2敗に戻して迎えた大一番だった。
待ち受ける相手に立ち合いから全力でぶつかった。重心を低くし、相手左側にもぐりこみ、前みつを取った。相手が一瞬、前のめりになった瞬間を見逃さず、冷静に体を引き戻し、下手出し投げで下した。自陣を振り返った與那覇は拳を握りしめて何度もうなずき、勝利をかみしめた。
和宇慶忠勝監督は「與那覇は重圧が掛かる場面でも負けない勝負根性がある。しっかりと自分を見失わずにやりきった」と大将の勝負強さに目を細めた。
3年生で主将として最後の総体となる喜屋武はこの日の団体戦では白星を挙げることができなかった。喜屋武は「縮こまってしまった部分がある。明日は気持ちを切り替えて調整し、自分の相撲ができるように頑張りたい」と意気込んだ。和宇慶監督は「3年生としてプレッシャーもあると思う。これまで背負ってきたものを力に変えてほしい」と主将の発奮に期待した。
(當間詩朗)