28日に開かれた全国高校総合体育大会の相撲では、団体決勝トーナメントに進んだ中部農林が1回戦で近大付(大阪)と戦い1―4で敗れた。
決勝トーナメントで初戦敗退した中部農林。先鋒(せんぽう)から4連敗で勝負は決したが、1年生の大将、與那覇大地が一矢報いた。「挑戦者の気持ちで思いっきりぶつかっていった。これからもっともっと力を付ける」。このチームでの戦いが終わると同時に、気鋭の新人が新たな世代の幕開けを告げる勝ち星を挙げた。
自身より37キロ重い相手に挑んだ與那覇は、立ち合いと同時に低い構えから鋭く突進。相手の両腕を突き上げると同時に、左側に潜り込んで前みつをつかむ。約15秒の攻防の末、相手の力も利用して下に引きずり込むように下手ひねりを繰り出した。「得意の形に持ち込んで、自分の相撲が取れた」と意地の1勝をもぎ取り、左の拳をぐっ、ぐっと2度握った。
前日の予選3回戦でも、決勝進出を決める勝利を勝ち取った。和宇慶忠勝監督は「勝負強く、意地がある」と強心臓を買う。
「先輩方の伝統を引き継ぎ、全国でも戦えるチームにする」と主力の一人としての自覚を静かに語る與那覇。加えて次代のけん引役となる木﨑誠仁は副将戦で寄り倒しで惜敗したが「もっと緻密に、いちかばちかではなく、勝ちにいく相撲がしたい。来年の団体、個人で優勝する」と決意を新たにした。
(安里洋輔)
(沖縄県立武道館)
▽団体決勝トーナメント1回戦
近大付(大阪) 4―1 中部農林
○中前 うわてなげ 仲里
○富田 おしだし 喜屋武
○加納 したてなげ 玉城
○本庄 よりたおし 木﨑
大和 したてひねり 與那覇○