新社長が描く那覇空港ターミナルの展望とは…


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 那覇空港ターミナルビルの管理を担う那覇空港ビルディング(NABCO)の社長に、前県経営者協会長で沖縄銀行相談役の安里昌利氏が就任した。年間の入域観光客数1千万人を目前に、空港の混雑など取り組む課題は多い。新社長としての抱負や展望を聞いた。

―新社長としての抱負を聞きたい。

 「沖縄の玄関口である那覇空港が発展すれば、県経済にプラスになる。安全、安心、機能性の充実や快適性を大事にする。ホテルやコンベンション施設を備えたリゾート・ビジネス空港を目指していく。空港に着いてすぐフェリーに乗れる乗り場も整備したい。またイベントや看板設置で際内連結ターミナルへの人の流れを増やし、空港内の壁に広告掲載するなど有効活用し収入も上げたい」

―受け入れ体制の強化にどう取り組むか。

 「レンタカー受け渡しの混雑を緩和したい。空港に到着してから受け渡しまでに1時間ほど時間がかかっている。モノレールが延伸すると、てだこ駅周辺に千台の駐車場ができる。そこでレンタカーの受け渡しができるようにして、客の分散に取り組みたい。空港に着いてすぐモノレールに乗れば、暑い中待つ必要もない。スムーズに動ければリピーターにもつながる。県や国、県レンタカー協会や沖縄都市モノレール社など関係機関と協力したい」

 「泊港から北谷経由で本部まで運航している第一マリンサービスの高速船もさらに有効活用したい。空港から港までシャトルバスで送迎し、すぐ北部に行ける仕組みをつくりたい。お客さんが円滑に動ける体制づくりが課題だ」

―2020年3月に第2滑走路が供用開始する。取り組むべきことは。

 「第2滑走路ができると、ピーク時には2割ほど客が増えるだろう。現在は年間14万回の離着陸が可能といわれているところを16・6万回で飛んでいる。通常より離着陸の間隔がかなり短い。まずはその調整から進めたい」

 「第2滑走路ができても発着回数は約1・2倍にしかならないといわれている。第2滑走路を使う飛行機は、誘導路を通って陸にあるターミナルまで客を運ばないといけない。第1と第2滑走路の間を埋め立ててターミナルを建設し、客の乗り入れができるようになれば、効率はもっと上がる」

―2020年はオリンピックもある。那覇空港にはどのような影響があるか。

 「那覇空港は乗り継ぎ空港になる。バンコクやシンガポールなどからLCCも飛んでくる。現在は海外の航空会社が20社入っている。海外からの中継拠点として路線を増やさないといけない。CIQ(税関・出入国管理・検疫)の施設を増設中だが、完成すれば乗り継ぎ時などの利便性が高まる」(聞き手 中村優希)