沖縄各地で大雨 土砂崩れで国道通行止めも 2900世帯に避難勧告 渡名喜で1時間最大92ミリ


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国道331号で起きた土砂崩れ=2日午後9時20分ごろ、名護市嘉陽

 沖縄本島地方は2日、気圧の谷の影響で大気の状態が非常に不安定となり、各地で大雨となった。本島北部では夜にかけて雨が降り続き、名護市や名護署によると市嘉陽の国道331号では土砂崩れが発生、ほかにも市東部の各地で道路の冠水や住宅の浸水が起きた。けが人は確認されていない。渡名喜村では午前10時32分までの1時間に92・5ミリの猛烈な雨が降り、2014年からの観測史上最大となった。

 県と沖縄気象台は、名護市と宜野座村に警戒レベル(5段階)で避難を必要とする4に当たる「土砂災害警戒情報」を発表。名護市は午後6時10分に、久志、喜瀬、幸喜、許田の2909世帯5365人に避難勧告を出した。その後、雨が小康状態になったことなどから午後9時19分に避難準備情報に格下げした。

 名護市嘉陽の土砂崩れの影響で、国道331号は通行止めになった。管理する県道路管理課は明日以降、調査と土砂の撤去を行う。市街地から東海岸をつなぐ78番東部線を運行する沖縄バスなどは「3日の運行は状況を見て判断する」としている。

 気象台によると、上空に寒気がある一方で、地表付近には南から暖かく湿った空気が流れ込み、積乱雲が発達。雷を伴い非常に激しく降った。2日午前0時~午後9時40分までに、国頭村奥で136ミリ、同村国頭で133・5ミリ、東村で126・5ミリ、名護市で101ミリを観測した。うるま市の宮城島と粟国村の粟国空港では1時間雨量で8月の観測史上最大を記録した。

 3日も本島地方と大東島地方では気圧の谷の影響を受け、雷を伴って曇りや雨となる見込み。