政治

直接請求は有効?消滅? 石垣陸自配備 住民投票 市と「求める会」 条例解釈巡り平行線

 【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票を巡り、市内有権者の約4割が署名した直接請求の有効性について議論が起きている。直接請求は市議会に否決されたものの、4分の1以上の署名で市長に住民投票実施を義務付ける市住民自治基本条例も存在し、その条例の解釈が分かれているためだ。7月29日には条例の解釈について市住民投票を求める会が市役所で中山義隆市長と面談したが、議論は平行線をたどった。


石垣市住民自治基本条例の解釈を巡り中山義隆市長(手前左)と議論する市住民投票を求める会のメンバー=7月29日、市役所

 自治基本条例28条では有権者の4分の1以上の署名で住民投票の請求があった場合、「市長は所定の手続きを経て、住民投票を実施しなければならない」と規定している。住民投票を求める会は昨年、有権者の4分の1を大きく上回る1万4263筆の署名を集め、住民投票を直接請求した。

 ただ「所定の手続き」の具体的内容が定められていない不備があることから、有権者の50分の1以上の署名と議会の議決が必要とする地方自治法74条に基づいて請求し、市議会が今年2月に条例案を否決した経緯がある。

 一方、条例の逐条解説では条例28条の請求を「地方自治法74条に基づくものの一つ」と位置付け「市民からの請求を拒むことはできない」としている。

 求める会は逐条解説を根拠に、地方自治法の請求でも条例上での効果は生じており、議会が否決しても4分の1以上の署名がある請求の実施は拒めないとして、市長には住民投票の実施義務があるとの見解を示す。

 一方で市側は効力は消滅したとの立場だ。29日の面談で中山市長は、地方自治法で請求され、同法に基づく手続きで議会が否決したとして「地方自治法で(直接請求の)処理は終わっている」と説明。「申請されたことと違うことを行政がして良いのか。法律に準拠して動かなければならないのが行政だ」と強調した。

 市の担当者は条例に不備があることから「逐条解説通りの条例になっていない」とする。

 住民投票を求める会の金城龍太郎代表は「手順は大事だろうが、市民が求めていることを反映するのが行政ではないか」と市の姿勢に疑問を呈した。


(2019年8月5日付 琉球新報/朝刊/2頁/総合 掲載)