宮城、ハンマー投6位 優勝逃した悔しさも《南部九州総体2019》


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男子ハンマー投げ決勝 1回目の投てきで60メートル90の記録を出し6位に入賞した中部商の宮城貫太(田中芳撮影)

 全国高校総合体育大会「感動は無限大 南部九州総体 2019」は4日、各地で行われ、男子ハンマー投げでは宮城貫太(中部商)が60メートル90で6位入賞した。

 この日最終競技となった男子ハンマー投げ決勝。ナイター照明がともる中、宮城貫太(中部商)は1投目から攻め続けた。2度のファウルはあったが、すべて60メートル付近をマーク。60メートル90で6位入賞を果たした。「1投目からたくさんの声援でいつもみたいじゃなかった」と振り返り「初の全国入賞でうれしさはあるが、自分の投げがはまれば1位の記録も行けた」と確かな手応えと地元で優勝を逃した悔しさが垣間見えた。

 予選は緊張から思うような投てきができなかったが「1、2投で緊張が取れ、やるしかない」と放った3投目は58メートル32をマークし、予選を通過した。

 体力の回復とフォーム修正を経て挑んだ決勝。フィールドを照らす照明に「スポットライトみたいで、プロっぽくてかっこいい」と気持ちは上がり、最初から飛ばした。体が先行するのではなく、ハンマーと一緒に回転することを意識。いつも練習でしている動きを再現することを意識した。初めて昇る入賞台から見る景色に「みんな遅くまで残ってくれて、本当にありがたいです」と背中を押し続けた仲間への感謝の言葉が並んだ。

 元々、八種競技をしていたが、1年生の9月にけがをし、体力強化のために投てきを始めた。183センチ71キロと投てき選手にしてはかなりの細身だが、20~30キロの重りを体に巻き付け、走り込むことで瞬発力を高め、全国でも戦える体をつくった。

 「3年生最後には全国入賞する」と競技を始めた時の思いを最後まで貫いた。一方、まだ県記録更新、その先の日本記録にはまだ届かない。「満足していない。高校生のうちには目標を達成したい」。柔和な表情の中にも次への確固たる信念が宿った。(屋嘉部長将)